• キャリアを考える(第1回)

    2021.03.20キャリアデザイン

    キャリアを考える(第1回)

    キャリアとは、生きていくプロセスにおいて個人が担っていく役割の連鎖です。例えば、「こどもとしての自分」「労働者としての自分」「妻として夫としての自分」「親や祖父母としての自分」などです。そして、自分が、生涯を通じて、どのように仕事や社会とかかわり、果たしたい夢や目標、使命は何か、どんなプロセスで何を実現したいかを自分自身で考えて、その考えをキャリアプランとして具体化していくのが、キャリアデザインです。

    キャリア(生き方・働き方)は自分で築くもの。自分らしいキャリアはどうやって見つけるのでしょう。人生100年時代の生き方・働き方について考察します。

自立した社会人として必須のスキル

自立した社会人として必須のスキル

キャリアデザインは、「自立した社会人として必須のスキル」です。
というのも、キャリアデザインをひとことで説明するならば、「自分のキャリア(生き方・働き方)をどうするかをあらかじめ考えて、決めておく」プロセスのことです。自分の人生について考えて決めることは、特別なことではありません。誰もが当たり前にすることであり、自立した社会人として備えておくべき基本的なスキルだといえます。

日本国憲法には「職業選択の自由」が定められています。今は、自由に仕事が選べますが、江戸時代までは人々は身分や職能団体の縛りを受け、自由に職業を選択することができませんでした。当然のことながら、そば屋の家に生まれた子が将来は武士になりたいなどと夢を抱くことはできず、キャリアデザインする必要もありませんでした。

2012年の総務省の調査によると、就業者のうち8割以上が会社に雇われる形で働いています。就業先で多いのが一般企業ですが、日本の企業経営は「終身雇用制度・年功序列型賃金・企業別労働組合」が特徴で、社員を大切にする風土があるといわれてきました。

ところが1990年頃のバブル崩壊後は、企業に属して働く人にとって厳しい労働環境へと変化しました。例えば、国際競争やIT革命などの経済・社会環境の変化に伴い、非正規雇用者の増加、正規雇用者の中途採用や通年採用枠の拡大、集団主義から個人主義への変化などが挙げられます。このような状況では、長期的雇用を前提とした従来の人事システムでは時代に合った人材育成などが困難になり、個人単位でのキャリア開発が求められるようになったのです。

それ以降は、ますますグローバル化や女性の社会進出が進み、価値観の多様化や人々の就業意識に変化が生じています。また、高学歴化が進んだことで、高校や大学進学のタイミングで自分の進路を選択する必要がでてきました。このような時代の変化により、キャリアデザインは、現代人にとって必要不可欠なものとして認知されるようになったのです。

(次回に続きます)

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