• コミュニケーション改善の処方箋-言葉のつくられ方

    2021.05.31NLP

    コミュニケーション改善の処方箋-言葉のつくられ方

    「東京オリンピックを開催するなら飲食店の時短営業はやめるべきだと思う。」これは、ある情報番組の街頭インタビューで、東京オリンピック2020大会の開催に賛成か反対かを尋ねられた人のコメントです。この人のご意見が賛成か反対かは不明ですが、飲食店の時短営業はやめるべきだ、という意思は明らかです。東京オリンピックを開催することと飲食店の時短営業には因果関係がないのに、どうして、このような言葉が出たのでしょうか。

    言葉にはその人が心の中で考え、伝えようとしていることが隠れており、その生成プロセスを理解することで話す相手の真意を知ることができます。この構造は、コミュニケーション力を高めるために不可欠な知識なので、誰にでも簡単に実践できるコミュニケーションモデルである、NLP(神経言語プログラミング)のトレーニングでも、繰り返し、体験を通して学んでいます。今回は、言葉が生成される構造を紐解きましょう。

言葉のつくられ方

言葉のつくられ方

私たちの言葉には、経験と記憶を紐づける役割があり、見たり、聞いたり、触れたりして、神経プロセスを経て得た外界の情報に言葉で意味づけしています。また、外界(他人)と通じ合うためにも言語を用いています。ただし、言葉にできるのは思考のほんの一部だけ。私たちが「話す」ためには、経験すべての中からごく一部を選び、単純化して、言葉化するという段階を踏みます。その過程で必然的に意味が歪み、一般化され、短く変換された言葉を聞き手に伝えます。もしも、経験したことすべてを言葉にしたらきっと会話は成り立ちません。ものすごく冗長だし、互いに相手から発信される情報量の多さに耐えられなくなってしまうからです。

話し手の「真意」を知る方法

話し手の「真意」を知る方法

ここで冒頭の「東京オリンピックを開催するなら飲食店の時短営業はやめるべきだと思う。」と話した人が心の中で考え、伝えようとしていたことに注目してみましょう。

この言葉は、この人が過去に経験してきたこと全体の中からこの人が切り取った、この人にとって何か意味のある大事な部分です。それならば、もしかしたら○○なのではないか?と想像すること、仮説を立てることはできるのではないでしょうか。そして、その仮説にもとづいて、質問をすることで、相手の真意(心の中で考え、伝えようとしていたこと)を知るヒントを得ることができます。

もしかしたら、普段は無意識に行っていることなので、今はまだ気づけていないかもしれませんが、あなたも話し相手の言葉の奥にあるその人の世界観を想像しながら会話をしているのではないでしょうか。

そして、日々の会話の中でも、質問は、当たり前に行っていることだと思います。今回考察したように、話し手の言葉には、思考が言語に変換される仕組み上、どうしても省略・歪曲・一般化され、欠けている情報があります。話し手の言葉の中で「何か足りない」と気づいたら、相手に質問をして、真意を教えてもらいましょう。このようなちょっとした違いが、あなたのコミュニケーションをより良いものにしてくれるはずです。

コミュニケーションが苦手な人への処方箋

コミュニケーションが苦手な人への処方箋

コミュニケーションの中で質問するときにポイントとなるのは、その質問を「どのような目的で」するのかです。人と話すのが苦手という人は、会話が途切れる恐怖心から闇雲に質問を繰り出していることがあります。質問をしようとする姿勢は素晴らしいのですが、目的なく質問を続けても、表面上の言葉の行き来が継続しているだけで、互いのことを理解し合うことは難しいでしょう。目的に適う質問をするからこそ、必要な情報が相手から提供されるし、互いのことを理解し合えて、会話が弾むのです。「会話を続ける」ことの目的を明確にして、会話に臨んでみることをおすすめします。話す(質問する)目的が変われば、その内容も変わるので、話す(質問する)前にその目的を確かめておくことが大切ですね。

ちなみに、話し手の言葉の欠けた情報を復元するのに有用なのが、NLPのメタモデルという概念です。メタモデルは、言語学の深部構造や表層構造と私たちが紡ぎだす言葉や経験とのつながりや言葉の中の欠けた情報を取り戻すための質問をつくる方法などが学べ、実生活の中でも大変役立つものです。マイキャリアデザインコースやパーソナルコーチングで学ぶことができますので、ご興味のある方は、お問い合わせください。

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