• 思い込みの「枠」を変える技術

    2021.06.04お役立ち

    思い込みの「枠」を変える技術

    6月3日(木)の参議院の内閣員会での河野太郎行政改革担当大臣の答弁でのリフレーミングは、お手本のようでした。リフレーミングとは、枠組みを変化させることによって出来事の意味を変化させる思考法でもあり、コミュニケーションの技術でもあります。NLP(神経言語プログラミング)の基本的な考え方の1つで馴染みがある一方で、日常生活での実践が難しいと話す方も多いので、今回はリフレーミングについて考えてみましょう。

無意味な調査を意味のある調査に変える

無意味な調査を意味のある調査に変える

「少なくとも各府省、その数値まではテレワークをやれるといっている(自分たちが調整をして実際にやった)わけだから、今後、各府省にテレワークの目標数値を設定するときには、非常に役に立つ。」

これは、国家公務員のテレワークの実態調査を実施するにあたり、その基準日を各省庁に事前に知らせていた問題で、野党議員から見解を問われたときの答弁です。

ことの発端は、先月19日に内閣人事局が実施した国家公務員のテレワークの実態調査で、事前に19日に実施することを各省庁に通知していたことが明らかになったことにあります。その後、先月19日の霞が関周辺の人出が[前日比15・4%減、基準日の翌日は前日比19・3%増]だったことが、NTTドコモのデータによって明らかになったり、野党議員の聞き取り調査で「その日はできるだけテレワークをするように」と指示を受けた人がいたことが判明したりして、「出来レース」「意味のない調査」などと官僚や野党議員から批判の声があがっていたものです。

ややもすれば、執拗な質問攻めを誘引しかねない場面でしたが、河野大臣は枠組みを変え、出来事の意味を変化させるという、見事なリフレーミングで「あれは意味のある調査だった」ということを知らしめ、答弁を終えたのです。

調査結果を活かすも殺すも捉え方

調査結果を活かすも殺すも捉え方

問題の真っ只中にいるとき、私たちはトンネルビジョンという、視野が狭くなり、特定の考え方に固執するような状態に陥りやすくなります。今回例に挙げた河野大臣は、その答弁で、質問者(と世論の一部)の「無意味な調査だった」という思い込みの「枠」をはずし、質問者とは異なるところに「枠」を付け替えて、その調査の価値について話をしました。そうしたことで、見事に、質問者に新しい視点、考え方の可能性を与え、トンネルビジョンから脱出させたのです。

冒頭でもお伝えしているように、リフレーミングとは、枠組みを変化させることによって出来事の意味を変化させる思考法、コミュニケーションの技術です。枠組みが変われば意味が変わり、意味が変われば、その人の考えや行動が変わるので、対人援助職や指導的立場にあるビジネスパーソンにとって、身につけておくと重宝するコミュニケーションスキルの1つです。自分自身や他人をトンネルビジョンの状態から抜け出させるのに有用なリフレーミングは、マイキャリアデザインコースやパーソナルコーチングで身につけることが可能です。興味のある方は、お気軽にお問い合わせください。

シゴトの学び舎コラムメニュー

カテゴリーで絞り込むCATEGORY

Related column関連コラム